NZで障害・難病持ちの10歳娘を子育て中、Harukaです。

2008年から留学エージェント業に携わってきて、近年「障害がある子ですが、留学できますか」という問い合わせが増加していることを感じています。

結論からお伝えすると、現地小学校〜高校に特別ケアが必要な障害・病気持ちの生徒を受け入れてもらうことは望み薄です。これは、現地小学校の理事として現状をよく理解しているからこそ、はっきりお伝えできることです。もちろん障害/病気の種類や度合いにもよりますが、定型発達児のように現地校に留学するのは難しいという前提で考えていてください。心の痛い現実ですが、下手に期待を持たせることは私はしません。

ただ、私は障害も難病も持つ子の親として生まれ持った性質のために諦めなくてはいけない状況は、本当に切ないし、どうにかしたいと長い間思ってきました。

ただでさえ娘のような人間には生きにくいこの世の中、私は少しでも楽しいこと・ワクワクすることを減らしたくないし、むしろ増やしていってあげたい。

私たちの住むニュージーランドは、インクルーシブ教育を推奨しています。そのためスペシャルニーズと呼ばれる、障害や病気などの理由で特別ケアが必要な子への理解は、比較的高いと感じています。理解があるというより、ただの違いとして受け入れて、必要以上に怯えたり構えたりすることがない印象です。その子の個性=“Who he/she is”とよく言います。

そんな国で、現地校に通うことは難しくても、たとえば教員免許を持つ人をチューターとして雇って現地の子と同じ教育を受けてみる、現地の障害や病気を持つ子のサポートグループに参加したり、習い事に行って現地のお子さんと交流をするなど、上手に形を変えて「海外」と「留学」を実現させられないか考えています。

現に娘は、自己免疫疾患(SLE/全身性エリテマトーデス)のために体力が落ちており、学校に通えない期間があったり、通えても全日はいられません。そのため、チューターに不足分を補ってもらったり、障害児に特化した習い事やセラピーに通い、健常児のように学校に通えなくとも、なるべく多くの人と接して世界を広げる生活をするように心がけている、というのが今の私たちの現状です。

そして、お子さん自身だけでなく、障害や病気を持つ子の親御さんたちは、よく「こんなの私たちだけ」という孤独に襲われることもよく知っています。

海外に出ることでお子さんが広い世界を体験するだけでなく、ケアラーとしての親御さんも、言語も文化も違う遠い国でも、自分と似たような悩みを持ちながら子育てをする人たちの存在を知って「私たちだけじゃないんだ」と実感することは、大きな心の支えとなるでしょう。

ただの海外旅行ではなく、留学という形で海外生活を体験するからこそ得られるものは、お子さまにも親御さまにも、たくさんたくさんあるはず。そしてそれは後の人生で、お子さんにとっても親御さんにとっても、単なる思い出以上の “心のお守り” になるんじゃないかなと思うのです。

障害や病気があるからって、やりたいことは諦めない。できないじゃなくて、できる方法を探る。

そんな世界を娘のために、そして同じような状況にいるお子さんたちとその親御さんたちのために、私が作ろうと決めました。【障害児・難病児のためのNZ留学】を企画します。

きちんと形にするまでは少し時間が必要ですが、アドバイスやご意見・ご要望などありましたら、こちらからぜひお聞かせください。