ニュージーランド現地小学校の理事になって3年目、Harukaです。

今年8月で、小学校理事の3年の任期が満了となります。娘も今年で小学校卒業なので、理事は継続せずに引退する予定です。

せっかくなので、学校理事の仕事というのはどういうものか。ピンとこない方が多いと思うので、まとめてみます!ちなみにNZで理事会は Board of Trustees(BOT) と言います。

理事になるには -How to become a board member-

  1. 自薦、もしくは他薦
  2. 出馬する人はステートメントを作成
  3. 有権者に立候補者名簿と投票用紙が配布される
  4. 有権者による投票→開票
  5. 各学校の規模により5人前後のメンバーを選出
  6. 上記選出メンバーに、校長と教員1人を加えた理事会発足

これらは正式で緊張感を伴うプロセスです。

私は締め切り当日朝に推薦され、ステートメントは「絶対間に合わない」と泣きながら書き上げ、締め切り数分前に震えながら提出。他の候補者たちの立派なものと、明らかに急いで作った自分のものを比べて、出だしからすでに落ち込みました。

そんな状況だったので、期待していなかった「おめでとうございます。投票の結果、理事に選ばれました。」という外部組織からの電話連絡に、つい反射神経で “Yay”(イェイ)と言ってしまったあと、咳払いでごまかしたという情けない思い出があります。

理事のおしごと -What does the board do-

ひとことで言えば、学校のガバナンス

ではガバナンスとはなにかと言うと、一番分かりやすかった説明は「ヘリコプターに乗って上空から学校運営を監視する役割。地上に降りて一緒に動くことではない。」というもの(例えであって、実際にヘリコプターに乗るわけではありません!笑)。

主には、

  1. 学校の方針と目標を設定する
  2. 目標達成に向けたプラン作成→教育省に提出
  3. カリキュラムの管理
  4. 財務と土地・所有財産の管理
  5. 生徒・教職員の健康と安全性の管理
  6. 教職員の雇用

具体的にどういうことをしているかというと、

  • 月1回のミーティング出席
  • 緊急時の臨時ミーティング出席
  • スクールポリシーの見直し(学期ごと)
  • 予算の使いみち最終決定(建物の修繕など)
  • 教職員雇用に関わる最終決定(長期休暇の許可など含む)
  • 成績評価のアナライズ
  • 教職員の心身の健康(雇用主として職場環境を整える)
  • 生徒の健康と安全(リスク管理と予防に重点)
  • 校長レベルで解決できなかった問題を議論
  • 校内への不法侵入者の対応(管理会社から連絡が来る)
  • 他校の理事会との懇談会
  • 各ワークショップなどでの勉強会
  • 教職員の集まり・学校イベントに出席(代表挨拶)

学校として法律、ポリシーに反する行為があった場合は訴えられる立場にありますし、万が一に備えて、学校の全てのドアを開けることのできる鍵とセキュリティ詳細も持たされます。

難しいのは一部の保護者たちの声に流されず、全体を把握、判断することが求められているということです。自分が保護者の一人であることと周りから入ってくる声を、理事として仕事をする際は完全に切り離して挑むことが求められます。

私はその視点を身につけるまで、相当苦戦しました。毎回ミーティングの前は資料の読み込みと、理事としての「効果的な質問」の準備で極限まで追い込まれる気持ちになりますし、終わったあとはしばらく異様なテンションを引きずります。

こうして書くと相当大変そうですが、本当に大変でした(涙+汗)。それでも学ばせてもらったこと、経験させてもらったことは本当にすごく価値のあるものばかりで、理事にしてもらえたことは素晴らしくありがたいことでした。

まだ2ヶ月の任期が残っているので、最後まで気を抜かず、「私だからこそできる貢献」を最後まで追求していこうと思います。そしてどうかこの2ヶ月でとんでもないことが起きませんように!

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