今日このブログがアップされる頃、私は白髪を増産している。

今夜は、月に1度の学校の理事会だ。私は去年の6月から、3年の任期で小学校の理事をしている。

ニュージーランドの各公立(小・中・高)学校は、学校の規模によって人数は異なれど、大体4ー5人の選出された理事と、校長、そして学校のスタッフ1名からなるメンバーで理事会を構成している。

理事は3年に一度、その学校に通う子どものいる保護者か、全然関係なくとも、その学校の保護者に推薦された人のみが被選挙権を持つ。

この国での理事の位置付けは相当高いらしく、転職や昇級にも関わるとのことで、男性の立候補が多い。

日本のPTAのように押し付け合い、イヤイヤやるのではなく、多くの人が興味を持つ名誉職と言ってもいいかもしれない。(タダ同然だが)国からお給料もいただく。

ずっと私は、理事会だなんて自分とは無関係な世界だと思っていて、それまでは「最高に学校にムカついた時に文句をいう窓口」
というイメージしか持っていなかった。

しかし、去年の選挙の際に、何人かの保護者たちから「あなたを推薦したいと思うんだけどいい?」と声をかけられた。

自分でいうのもなんだが、驚くほどいろんな人から「やってよ!」と言われ、今だから言えるが「で、理事会って結局なに?」と聞ける空気でもなく、必死に自分で調べて、そんな私が投票で選ばれ、今に至る。

毎 回 死 に そ う だ。

そもそも普通に主婦をしていて、ガバナンスなる視点がない。学校ガバナンスとは、例えると上からヘリコプターに乗って物事(学校運営)を見て、地上にいる者(この場合は校長)に指示なり、疑問なりを投げかける役割、と表現されるらしい。

ヘリコプターに乗ったことのない私には想像さえ無理だ。

そして、本来理事になる人は、何か学校に貢献できる、具体的な専門知識や経験を持っている。

例えば、銀行員の人が学校の理事として財産管理をしたり、ゼネコンの人が安全管理のアドバイスをしたりする。

私ができるのは、各スーパーの品揃え情報と、学校の、どのママ同士が冷戦中と言う情報提供くらいだ。

しかし選んでいただいたからには、いろんな講座を受け、マオリ語満載の資料を読み込み、私なりに懸命にこなしている。

理事になると、外でも模範的な言動が求められる。

道で拾った物を食べているところを見られてはいけないし、眉毛を描かないまま学校への送り迎えをしてはいけない。

というのは書いていなかったが、法律遵守はもちろん、タバコはなるべく学校の生徒に見らる状況で吸わないようにしましょうとか、スピード違反は厳禁ですとか、結構いろんなことを求められる。

そんな日々の聖人的な行動規範と、月に1度の会議、そして時々緊急連絡だったり、学校に空き巣が入った時なども、対応する必要があり、経験や知識とともに、白髪が良い具合に増えているのだ。


理事としていただくお給料は、きっと美容院手当なんだろう。