
私の英語レッスンでは「雑談力」がよく話題になります。
「うまく雑談できないのは英語力が足りないから」と思っている方が多いんですが、雑談力は語学力ではなく【思考力】です。
この記事では、私が雑談力を磨くために日常的にしていることをまとめます。
①そもそも雑談とは
Wikipediaによると、雑談とは「特にテーマを定めないで気楽に会話すること」だそうです。
テーマを定めない=テーマが自由=テーマがない
自由テーマの会話というのは、特に異文化で勝手が分からない相手とだと難易度が非常に高いです。
- 相手の興味
- 相手のタブー
- 自分との共通点
これらは、同じ文化・言語を話す相手だと、どれかひとつは大体把握できるので「これを話そう」「これ以外を話そう」と、どこかしらにテーマの軸を定めることができるのですが、異文化で異言語の相手だとその軸さえ検討がつきません。
②軸を自分に定める
全くテーマの軸に検討がつかない相手・状況での雑談には「自分」に軸を定めます。
ただお天気の話をするにしても「今日良いお天気ね」よりも「私は今日の天気が嬉しい」という方向で話します。
「自分」が軸なら、相手を全く知らなくても話す内容はあります。自分が考えていることを”表現”すればいいんですから。
ただ「自分が自分が」では盛り上がる雑談にはならないので、必ず「あなたはどう?」と話を振る配慮が必要です。
③自分の範囲を広げる訓練をする
「自分」を軸に定めるなら、その軸を囲む範囲が狭いとすぐに話しの広がりに限界がきます。
その範囲は、普段のものの考え方次第でいくらでも広がるものですが、少し訓練が必要です。
お天気の話を例に挙げてみます。
- 天気が良いから嬉しい
- 天気だと洗濯がよく乾く
- 洗濯洗剤の種類・匂い・効能
- 洗濯を乾かすのは気温か風か紫外線か
- 洗濯バサミの寿命・材質・所有数
- バスタオルの洗濯頻度・サイズ・所有数
- 乾燥機は電気代がかかる
- 取り込んだらすぐ畳むか否か
- 洗濯機は縦型か横型か
- 洗濯・乾燥一体型のをいつか欲しい
このようにひとつのトピックから、連想ゲームのようにして考えるクセをつけます。
この思考のクセが日常的になれば、身の回りのあらゆるものが雑談のネタになるんです。
④ネタがあっても言葉ができなきゃ意味ないでしょ?
「どれだけネタがあっても、言葉ができなきゃ雑談できないから意味ないでしょ」と言われるかもしれませんが、私は英語も日本語も通じないサモア人相手でも、夜通し続く飲み会で雑談を続けることができます。
身振り手振りで表現し、携帯している写真などを使い、かろうじて知っている単語を効果的に繰り出し、雑談を続けます。
②の項目内で「自分が考えていることを”表現”すればいいんですから。」と言いましたが、そういうことです。
言葉ができてもネタがなければ雑談は続きませんが、ネタさえあれば言葉ができなくても雑談を続ける・広げる方法はあります。
特にテクノロジーが発達した今は、言語の問題を解決する方法はたくさんあるんですから!
このように「英語がうまくなれば雑談もできるようになる」と思っている人は、英語のレベルがどんなに上がっても雑談ができるようにはなりません。
英語力を向上させる努力は続けるのはもちろん、雑談がうまくできないのを言語だけのせいにせず、日常的にネタの引き出しを増やす努力もしてみてください。
そして何より、色んなことにアンテナを張っていると、日常がもっとワクワク充実したものに感じられますよ!