NZのオンライン英語講師、Harukaです。
昨日のBTS関連の記事への反響があまりに大きかったので、今日もタイムリーな彼らのホワイトハウスでの会見について、英語講師として解説しようと思います。
BTSにはネイティブスピーカーがいる?!
韓国のボーイズグループ・BTS(防弾少年団)は、米国ホワイトハウスにて、アジア系住民へのヘイトクライム問題についてバイデン大統領と対談を行いました。
記者会見にてメンバー7人がそれぞれ簡単な挨拶とメッセージを伝えたのですが、BTSを初めて見た人は「最初と最後に話した人はだれ?」と思ったはず。
彼の名前はRM(キム・ナムジュン)さん。BTSのリーダーです。
※画像を載せたらコピーライト違反になりそうなので、検索してみてくださいね
他の6人全員は母国語の韓国語で話していましたが、彼はとんでもなく流暢な英語で話しました。
彼の英語は「留学経験があるのね」と思わせるような、現地で学んだ英語という印象を受けました。他の動画もいくつか見てみたのですが、韓国語訛りもなく、年相応の若者英語を流暢に話していました。
調べてみて驚いたのは、彼が留学したことあるのはたった4ヶ月(昨日のBlackpinkジェニーさん同様、私の住むNZという偶然!)で、その後はアメリカの大人気ドラマ・FRIENDSを見て英語習得をしたということ。
IQが相当高い方とのことですが、それにしてもあの流暢さを手に入れた方法にびっくりです。英語講師の存在意義とは(笑)。
ホワイトハウス会見での冒頭発言
ホワイトハウス報道官・カリーヌさんから紹介を受けて引き継いだRMさんは、こう話し始めました。
“Thank you, Karine, for your kind words.“
「カリーヌさん、温かいお言葉をありがとうございます。」
これは台本の一部だと思うのでRMさんの英語力には全く関係がありませんが、わたしが若干感じた違和感を解説したいと思います。
カリーヌ報道官は、発言の前半でBTSを紹介し、グラミー賞にノミネートされた国際的な活躍ぶりや、若者代表としてポジティブなメッセージを発信する大役を担っていることに触れました。
一方で後半は、バイデン大統領のヘイトクライム撲滅対策についての話で、その流れから「では彼らに話してもらいましょう。彼らがそれぞれ話し、その後通訳が入ります。質問は受け付けません。」と、報道陣への事務的な説明が入りました。
そしてバトンを受け取ったRMさんが最初にお礼を言うために述べたのが “Thank you, Karine, for your kind words.” です。
カリーヌ報道官の BTS紹介→バイデン大統領の一連の行い→事務説明 の流れを見ていたので、最後の早口な事務説明の直後に “kind words”=優しいお言葉 が出てきたことに微妙な違和感を感じたというわけなのです。
ただ、“Thank you for your kind words.” は、もちろん最初の紹介に対して言っていることであり、同時に「お気遣いありがとうございます」という意味もあるので、この流れで出てきても全く変ではありません。ネイティブに聞いても「全然おかしくない」と言うはずです。
あくまでここでは、あえて誰も気にしないくらい細かい部分にも注目して、英語学習の新たなトピックにしてみようというだけのことです。
ではどう言えばより良かったのかというと、わたしは簡単に “Thank you Karine.” だけの方が良かったのかもなと考えていました。
しかしあのような正式な場で、ネイティブではない人間、しかも20代の若者がサクッと短いお礼を言うと、小慣れてカジュアルに聞こえる危険性もあるので、やはり for your kind words はあって正解かな?なんて、考えがわたしの中で定まらないのも事実です。
“Thank you Karine. We appreciate your introduction.”
「カリーヌさん、ありがとうございます。ご紹介いただき感謝いたします。」
とかも悪くないかもしれませんね。
そして声を大にして言いますが、4ヶ月留学しただけでは、普通の人間はあそこまで流暢でスムーズな発音の英語は身につきません。やっぱりトップスターになる人というのは、才能と努力が桁外れなんでしょう。
・・・と、ここまで書いて、今度はRMさんがバイデン大統領と話している動画を見つけてしまいました。こちらはもしかして台本はあったものの、基本的には自分の言葉で話したのかな?と感じました。むしろこの会話を記事にしたかった!
こちらに関しては、またいつか機会があれば書こうと思います。
★ブログランキング参加中★クリックして応援していただけると嬉しいです→ にほんブログ村